阿寒湖経済圏を震撼させるニュースが飛び込んできた。これまで湖底でどっしりと構えることを絶対条件としていた『完全球体・先物』市場において、一部のマリモが光合成による酸素泡を蓄え、突如として湖面へ浮上する『垂直方向の暴走』が発生した。これを受け、湖底の重力と安定性を担保にしていた投資家たちは大パニックに陥り、浮上したマリモを「空へ逃げた不良債権」と断定。先物価格は一瞬にしてマイナス圏へと突き抜け、阿寒湖の経済指標である『マリモ・インデックス』が一時取引停止となる事態にまで発展した。

今回の騒動の発端は、特定の水草業者による「光合成過剰促進剤」の散布が疑われている点にある。この促進剤によりマリモの内部で酸素が過剰生成され、浮力が限界を超えた結果、湖底という「固定資産」から離脱する個体が続出した。経済学者からは「マリモの価値は湖底に根ざす重量感にある」とする声が圧倒的であり、浮上した個体は「物理的に軽くなった」として担保価値が即座に否定された。阿寒湖漁協は「浮いたマリモはただの球体。もはや我々の守るべき金融資産ではない」と冷徹な声明を発表し、浮上したマリモを回収する『沈下・追い証コール』を急遽発動する構えを見せている。

本件の背景には、昨今の水草業界による『マツモの絡みつき』を用いた市場操作が関係していると見られる。マツモがマリモに絡みついて浮上を抑制していた構造が崩れ、マリモが自由意思を持って浮上を始めたことで、従来の「静止する投資対象」という神話が崩壊した。これにより、マリモの資産価値を維持するために湖底の泥を付着させる「重力強化オプション」のプレミアムが急騰し、新たな投資家たちが湖底の沈殿物に対して巨額の投資を行っているのが現状だ。

この異様な光景に世間からは「マリモが自由を手に入れただけではないか」という擁護論も出ているが、市場関係者はこれを「経済的自殺」と一蹴している。SNS上では「浮上したマリモに夢を乗せていたのに、まさかこんな形でロスカットされるとは」「沈むことが唯一の資産運用だったはずだ」と阿鼻叫喚の嵐が吹き荒れた。現在、阿寒湖では浮上したマリモに重りをつける緊急作業が行われており、緑色の宝石たちは再び過酷な湖底の経済圏へと強制送還されている。阿寒湖の明日を守るための「重力確保作戦」は、まだ当分続きそうだ。