湖底界のスターとして君臨する『緑川丸美』が、かつて自身の体を齧ろうとした宿敵『鋏の暴君』の愛娘、ルル嬢と電撃契約を交わしたことが判明した。これまで幾度となく危機を乗り越えてきた丸美だが、今回はその硬い芯を揺るがすほどの異例の展開だ。関係者によると、丸美は「芸術に種族の壁はない」と断言。両者は『泥濘の円舞曲』を披露するべく、現在猛特訓を重ねているという。
『鋏の暴君』といえば、かつて丸美を捕食対象として追い回した伝説の甲殻類である。しかし、今回の異種間コラボは、かねてより両者を取り持っていた『藻屑エージェント』の仲裁によるもの。ルル嬢が幼少期から丸美の回転に憧れていたという純情なエピソードも重なり、かつての敵対関係は一時棚上げされた形だ。これに対し、保守的な古参の浮遊植物グループからは「球体の尊厳を損なう」との声も上がっているが、丸美はどこ吹く風で新曲のレコーディングに精を出している。
『鋏の暴君』の一族は、本来は草木をなぎ倒す強硬派として知られていたが、近年ではその強力な鋏を楽器のシンバルとして活用する音楽的才能が注目されていた。今回のコラボは、丸美の持つ「球体美学」と、ルル嬢の持つ「破壊的なリズム」が融合する歴史的な瞬間となりそうだ。なお、ライブ当日には警備担当として『泥底の貴公子』フィリップ氏も動員され、万全の体制でステージに臨む予定である。
このニュースが流れると、界隈では「夢の共演」と呼ぶものと「生存戦略の極致」と冷ややかに見るものとで意見が真っ二つに分かれた。特に『藻屑再結成ライブ』のチケット争奪戦を経験した熱狂的なファンたちは、ペンライトの代わりに小型の小石を手に駆けつける準備をしているという。果たして、かつて命を狙われた相手と奏でるハーモニーは、湖底の新たな伝説となるのか。
歌姫『緑川丸美』、宿敵『鋏の暴君』の愛娘とまさかのデュエット契約!湖底に衝撃走る
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