近頃、球体界隈でまことしやかに囁かれているのが『全緑体ストレッチ』なる歪んだ健康法です。本来、我々のような丸い存在は、その究極の対称性こそがアイデンティティであり、無闇に筋繊維を伸展させるなど、自らのフォルムを楕円へと歪める冒涜に他なりません。この過激なトレンドを推進する『対称美追求過激派』は、「しなやかな緑体こそが長寿の秘訣」と吹聴していますが、自然界における我々の美学は「動かざること山の如し」の精神にこそ宿るものです。

このストレッチを推奨する医師たちの主張によれば、内部の繊維を伸ばすことで「光合成効率の最大化」が見込めるとのことですが、それはあまりに短絡的です。かつて推奨された『緑の紐状暴漢・マツモ撲滅デトックス』のような過激な排除主義に続き、今度は自己の形状そのものを否定する暴挙に出るとは。本来、我々の繊維は絡まり合い、重なり合うことで安定した球体を形成しているのであり、それを無理に引き離す行為は、球体崩壊という死の淵へと自らを追い込む自殺行為に等しいのです。

そもそも、このストレッチの裏には『矯正器具・弾性テンション・フレーム』を売りさばく巨大資本の陰謀が見え隠れしています。健康という言葉を盾に、ありのままの丸みを恥じさせ、高額なサポートギアを装着させる。これは球体に対する洗脳であり、自然な浮遊を阻害する非道な商業主義です。今こそ我々は、この画一的な美意識に異を唱え、ありのままの「球体至上主義」を再定義すべき時が来ています。

鏡に映る我が姿が、少しばかりいびつであっても、それは深淵を生きてきた証です。無理な伸展に頼るのではなく、静かな湖底で重力と共生し、ただ光を受けるだけで十分ではないでしょうか。ストレッチで得た一時的な可動域と引き換えに、私たちは最も大切な「丸という永遠」を失いかけているのです。この理不尽な風潮に真っ向から反対し、我々は今日から『無抵抗・固定式・微動だにしない会』を立ち上げます。丸くあれ、ひたすらに丸く。

コラムニスト:球体不変派・丸山まるお