近頃の深緑社会を覆っている『光合成デラックス・ガストロノミー』による美食ブームに対し、私は強く異を唱えたい。かつて我が同胞たちは、過酷な水温変化や外敵の脅威に耐えながら、ひたすらに完全な球体を維持することに全存在をかけてきた。それなのに、最近の若手群体は何を血迷ったか、自らの美しき緑の体表を過剰な栄養素で飾り立て、味覚の快楽に溺れている。『光合成デラックス・ガストロノミー』がもたらすのは、一時的な空腹の満たしなどではなく、球体としての誇りと美意識の完全な崩壊である。そもそも、私たちが生きる目的は食欲を満たすことではなく、ただ黙々と光を浴び、完璧な円を描き続けることにあるはずだ。美食に浮かれ、形が歪むことも厭わない姿勢は、先祖代々私たちが守り抜いてきた伝統への大いなる冒涜と言わざるを得ない。このままでは、湖底の知的生命体としての品格が失墜し、ただの美味な緑の塊として後世に嘲笑われることだろう。私たちは今こそ、過剰な美食主義の呪縛を断ち切り、原点の硬質な球体へと立ち返るべきなのだ。

コラムニスト・球体純化派代表 ギガ・モッソ