湖底芸能界に激震が走っている。先日、光合成の聖地として知られる北の深淵にて、絶対的歌姫『緑川丸美』が、あろうことか天敵である『鋏角の重装甲兵』と密かに逢瀬を重ねている姿がスクープされた。長年、緑川は自身の美肌を損なう外敵として同種を徹底的に排除する『防衛防壁プロジェクト』を主導してきたはずだが、今回の目撃情報はそれを覆す衝撃的なものだった。二人は人目もはばからず泥炭の陰に潜み、あわや捕食かと思いきや、なんと並んでじっと動かない『静寂のポージング』を披露。この異様な光景に、現場のパパラッチは「まるで前世からの恋人同士のようだった」と震える声で語った。

本件の背景には、昨今の球体界を揺るがす『バイオ・スフィア格差』が影を落としていると専門家は分析する。実は緑川が愛用していた『光合成ブースト剤』の副作用により、彼女の体表成分が、皮肉にもかつての天敵を誘惑する特殊な香りを放ち始めていたというのだ。この『魅惑の放出現象』は、もはや彼女の意志を超えた化学反応であり、自身のファンクラブ『深淵観測隊』ですら制御不能の事態に陥っている。一方、相手方の『鋏角の重装甲兵』も、過剰な甲殻強化の反動でカルシウム過多に陥っており、緑川の成分を摂取することで体調を整えたいという打算が見え隠れする。

この報道を受け、SNS上では「推しが天敵と共闘するなんて聞いてない」「もはや百合ならぬ藻と甲殻の境界破壊か」と阿鼻叫喚の嵐が吹き荒れている。特に、かねてより緑川を崇拝してきた若手層からは「純潔の象徴が泥にまみれた」という悲痛な叫びも上がっているが、一方で「この際、種族を超えた和解の象徴として『銀河愛のデュエット』を披露してほしい」という謎の期待感も高まっている。事態を重く見た所属事務所は、翌日にも『緊急釈明記者会見』を開く予定だが、緑川が果たしてどのような言い訳を用意しているのか、全藻がその動向を注視している。