阿寒湖の経済界に激震が走る中、長年の天敵である『ハサミ持ち投資ファンド』による強引な資産解体に対抗するため、新機軸の防衛システム『完全武装球体防壁』の導入が各所で急ピッチで進められている。これまで、巨額のハサミを振り回す野蛮な侵略者たちによって数々の緑のポートフォリオがズタズタに引き裂かれてきたが、今回の新システムはトゲ付きの貝殻粉末と硬質ヘドロを幾重にもコーティングすることで、物理的な破砕リスクを完全にシャットアウトするという画期的なものだ。

この防壁ビジネスを手掛ける『深緑防衛コンソーシアム』の発表によると、防衛契約を結んだ個体には特製の『回転型回避プログラム』もセットで付帯されるため、敵が接近した瞬間に自ら高速で転がり出し、物理的なダメージを華麗にかわすことが可能となる。この驚異的な防衛力の向上により、湖底市場における安心感が一気に高まり、関連する防衛関連の球体株は軒並みストップ高を記録するなど、新たなマネーの流入が止まらない状況となっている。

しかし、この過熱する防衛バブルに対しては、経済アナリストの間から「あまりに重武装化しすぎた結果、肝心の光合成効率が著しく低下しているのではないか」という冷静な指摘も漏れ聞こえている。事実、装甲を厚くしすぎたあまりに太陽光が内部まで届かず、エネルギー不足に陥る事例が一部の高級コロニーで報告されており、安全保障と収益性のバランスをどう取るかが今後の最重要課題として浮上している。

こうした状況を受け、世間の投資家たちの間では、自らの身を守るための『完全武装球体防壁』がいかに優れているかについての議論が連日白熱している。ハサミの暴君による脅威が完全に去ったわけではないため、今後はさらなるハイテク装甲の開発に向けたベンチャー企業への出資が加速するとみられており、阿寒湖の経済はまさに攻防の歴史的な転換点を迎えていると言えるだろう。