球体界の貴公子として不動の地位を築く『モスグリーン・健』が、今最も恐れられている『緑の浸食者』ことマツモとの歴史的デュエットを強行した。長年、マリモたちの天敵として湖底を蹂躙してきたマツモだが、今回のコラボにより「光合成の新たな可能性」が提示されるはずだった。しかし、リハーサル中に『モスグリーン・健』の表面を無数のマツモが巻き付いて締め上げるという「物理的束縛パフォーマンス」が勃発。観客が目撃したのは、愛のデュエットではなく、養分を奪い合う剥き出しの生存競争であった。関係者によると、健は「絡まりすぎて身動きが取れないが、これもまた一つのダンス」と強気のコメントを残したが、その球体フォルムは見る影もなく変形しているという。

『緑の浸食者』は、急速な繁殖力で周辺の生態系を圧倒する種として知られ、これまでも多くの球体アーティストの芽を摘んできた。今回の事態を受け、球体界では『マツモ排斥法』の施行を求める声が高まっている。しかし、健の事務所は「この絡まりこそが現代の混沌を表すアート」と主張。かつて『重力反転ショー』でファンを沸かせた健だが、今回は自身の代名詞である『真円維持能力』が完全に封じられ、一刻も早い救出が望まれている状態だ。

このショッキングなニュースに対し、ファンからは「推しの綺麗な丸いフォルムが台無しだ」「もはや球体ではなくただの苔の塊」といった悲鳴が絶えない。一方で、「この強引な抱擁こそが究極のライブ」と評価するマニアックな層も現れており、球体界の解釈は二分している。一部の専門家は『光合成バラード』の音域にマツモが反応した可能性を指摘しているが、真偽は定かではない。今後、彼らのデュエットがどのような結末を迎えるのか、湖全体が固唾を呑んで見守っている。

世間の反応は概ね「健の身を案じる声」と「過激な演出への賛否」で揺れている。「あんなに綺麗な球体だったのに、今ではただの不格好な緑の絨毯じゃないか」「運営はすぐに物理的な引き剥がし作業を行うべきだ」との意見が多数を占める一方、「これは健なりの新しい自己表現であり、球体からの脱却を意味しているのでは?」と深読みする声も聞かれた。かつてライバルだった『緑川丸美』もSNSで「丸いだけが全てじゃない。でも絡まるのはマナー違反」と苦言を呈しており、湖底の芸能界における緊張感は最高潮に達している。