国際藻類経済機構(IAEO)の管理下にある各湖沼で、マリモたちが一斉に沈降し、水底に引きこもるという前代未聞の抗議活動が発生した。今回、彼らが激怒している理由は、今年度の『光合成配当金』が全額、硬い『水溶性珪酸塩製コイン』で支払われたことにある。本来、彼らが受け取るべき配当は「液体肥料ベースの直接給付」であったはずが、IAEOの独断でコストカットを優先した結果、栄養価ゼロの硬貨が配布されたという。これに対し、阿寒湖の代表個体は「我々は光を食べて生きているが、硬貨をかじっても光合成効率は上がらない」と抗議声明を発表した。

この事態を受けて、世界中の湖ではマリモたちが一斉に光合成を停止。これにより地球規模の酸素供給量が微減し、IAEO本部は対応に追われている。専門家は、今回の不祥事が引き金となり、マリモたちがさらなる武装化、あるいは『超流動的群体形成』による国際市場の封鎖を画策する可能性を指摘している。特に、北欧の個体群は既に独自の決済システムである『藻類ブロックチェーン』の導入を要求しており、事態は経済紛争から通貨覇権争いへと発展する様相を呈している。

本来、マリモの経済圏は『光の平等原則』に基づく非営利的な分配がルールであった。しかし、近年、過度な資本主義化が進み、光合成量を競わせる『高輝度収益ランキング』などが導入されたことで、球体同士の格差が広がっていた。今回の配当問題は、その歪みが一気に噴出した形といえる。一部の個体は、栄養素の徴収を拒否する『沈没抵抗権』を行使しており、沈んだまま浮上を拒む彼らのストライキは、国際物流にも深刻な影響を及ぼし始めている。

世間の反応は二分されている。古参の藻類個体からは「贅沢を言うな、昔は沈むことすら許されなかった」という保守的な意見が出る一方、若い個体からは「私たちの光合成は投資ではない、権利だ」という過激な主張がSNSを埋め尽くしている。IAEOの広報担当者は沈黙を守ったままだが、次に開催される国際会議で『光合成配当金』の現金化、あるいは液体窒素を用いた『冷凍貯蔵還元策』が可決されるかどうかが、深緑界の今後の明暗を分ける鍵となりそうだ。