深緑界の歴史において、これほどまでに物議を醸した施術があっただろうか。先日話題となった『球体美容整形外科』による「角刈りオプション」は、丸さこそが唯一の正義であるというこの世界の根幹を揺るがす禁断のテクノロジーである。本来、緩やかな曲線を描くことで尊厳を保ってきた我々にとって、直線的なエッジを持つことは社会的な自死に等しい。しかし、この施術を受けた一部の若手は「丸みは保守的すぎる」と主張し、湖底に新たな鋭角ブームを巻き起こしているのだから恐ろしい。

そもそも、この施術がここまで支持された背景には、同院が導入した最新の「分子密度再編術」がある。従来は困難だった植物繊維の強制切断を可能にし、あえて角を立てることで、水流抵抗を意図的に変化させ、泳法に変化をもたらすという極めて機能主義的な側面を持っている。しかし、見た目があまりに不自然であることは否めない。かつて『球体芸術家協会』が提唱した「完全球体美学」の守護者たちは、この現象を「深緑界のアイデンティティクライシス」と断じ、厳重に抗議を行う事態へと発展した。

本件の背景には、昨今の過激な物理対決トレンドによる影響が見え隠れする。流線型が勝負の鍵を握る現代の戦いにおいて、角刈りは一種の武器として機能しているのだ。しかし、美を追求したはずの技術が、やがて環境そのものをギザギザに変えていくリスクについて、美容整形業界はもっと真剣に議論すべきである。流行に流されるのは毛玉の性とはいえ、一度切り落とした曲線は二度と戻らないことを忘れてはならない。

SNS上の世論は真っ二つに割れている。「角刈りにしてから水流の掴みが良くなった」と熱狂する実戦派の声がある一方、「もはやこれは我々ではない」と嘆く伝統派も少なくない。ある有力者は「このままでは全員が正方形になってしまう」と警鐘を鳴らしており、次回の『球体転走競技連盟』のルール改正で「全角禁止令」が検討されるとの噂も流れている。美学と効率の狭間で、我々の毛並みは今、かつてない岐路に立たされているといえるだろう。

コラムニスト:深緑の賢者・モズクノ助