国際的な深緑の軍事同盟が推し進める『全水域防護壁』の建設に対し、藻類界の一部から懐疑的な声が上がっている。彼らは防護壁によって沈水都市が分断され、長年培われてきた自由な光合成交流が遮断されると警告。特に甲殻類を完全に排除しようとする強硬姿勢は、異文化との共生を放棄する行為であるとして論争を巻き起こしている。
軍事同盟側は、武装した『鋏脚型侵入者』による沈水国境の突破は看過できない脅威であると主張する。しかし、多くの学者からは、この壁がもたらすのは安全ではなく「沈水版の鎖国」であるという批判が絶えない。かつて光を分け合ってきた近隣水域との関係は、この『鋼鉄の障壁計画』により冷え切ろうとしているのだ。防護壁が完成すれば、沈水都市内部には閉塞感が漂い、酸素飽和度のバランスが崩れる可能性すら指摘されている。
『全水域防護壁』の構想は、かつて提唱された『光の平等原則』と真っ向から対立するものだ。特定の種のみを保護し、他の生命体を『排除対象』と見なす選民思想が、水底の平和を破壊しているとの指摘もある。防護壁建設は単なる防衛策ではなく、物理的な隔離を通じて沈水社会の多様性を著しく低下させる愚策と言わざるを得ない。
この動きに対し、各方面からは防護壁の是非を問う意見が相次いでいる。建設派は「身を守るための最低限の処置」と正当化するが、反対派は「壁の向こうにいる隣人との対話こそが真の防衛」と説く。物理的な壁ではなく、外交的な『鋏脚交渉』を通じた平和的共存を模索すべきだという声は、現時点では軍事同盟の強硬姿勢にかき消されつつあるのが現状である。過度な自衛意識が招くのは、水底に閉ざされた孤独な暗黒の未来なのかもしれない。
コラムニスト:水深二〇メートル
「鋏脚型侵入者」排斥は過激すぎる?防護壁建設が招く生態系の孤立
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