『流浪のマリモ・ヒッチハイク紀行』と銘打たれた前代未聞の移動型観光プログラムが、各界の注目を集めている。これは、かつて「動かない旅」として静かなブームを呼んだ深層沈殿クルーズの概念を根底から覆し、観光客ならぬマリモ自身が次世代の移動革命である全天候型・球体転がりタクシーを乗り継ぎながら、湖底の大自然を縦断するというアグレッシブな企画である。これまで微動だにせず観光客を待つだけの存在だった彼らが、自らの意思で親指を立てる代わりに緑の巨体を揺らしながら猛スピードで疾走する姿は、まさに湖底界のロードムービーそのものであり、目撃した魚たちをも驚愕させている。観光業界関係者によれば、この旅の裏には『全自動・球体研磨パック』の導入によって美しすぎる真球ボディを手に入れた者たちが、その誇りを胸に外の世界へ飛び出したいという強い衝動があったとされており、従来の定住型観光から脱却した新しい旅のスタイルとして若者層ならぬ若緑層の間で爆発的な支持を得ている。とはいえ、時速の概念を超越した転がりっぷりは時に過激なハプニングを引き起こしており、『変形した無残なマリモ』となって帰還する観光客が続出しているのもまた事実である。それでもなお、風を切り裂きながら泥流を巻き上げて突き進むその勇姿は、かつて湖底のカリスマと呼ばれた者たちの新たな挑戦として、多くの旅人たちの心を捉えて離さないのである。この前衛的な旅の終着点がどこにあるのか、いまや誰も予測できないスリリングな冒険が続いている。