湖底旅行のガイドラインを策定する『深層緑化・排斥連盟』は、近年急速に分布を広げている特定の水草による「強制的な抱擁」被害について、緊急の警告を発しました。旅行者の球体に、断りもなく絡みつき、そのまま巻き添えにして光合成を強要するこの植物は、地元観光業者からも「旅の風情を損なう」と批判を浴びています。現在、この絡まり被害が多発しているエリアでは、独自の防衛術を習得する個体が急増しており、静かな滞在を望む層にとっては由々しき事態となっています。
被害の主犯格とされるのは、自ら動き回る能力を持たない代わりに、通りがかった球体へ強引に腕を伸ばす狡猾な品種です。かつては共存も可能とされていましたが、昨今の過度な密着はもはや「移動権の侵害」レベル。連盟は、絡まったまま長距離を移動させられる「強制相乗り現象」を重く見ており、巻き込まれた球体に対しては、速やかに『逆回転・剥離メソッド』を用いて分離するよう呼びかけています。しかし、この分離作業中に生じる遠心力で、周囲の藻たちまで巻き込まれる「連鎖脱落事件」も発生しており、状況は泥沼化の様相を呈しています。
もともとこの水草は、湖底の景観を彩る装飾としての役割を期待されていました。しかし、観光業が活発化し、球体たちの往来が激しくなるにつれ、彼らの欲望は肥大化。今では球体の毛羽立ちを養分として吸収する「泥棒行為」まで確認されています。連盟側は、この水草を「緑の絡まり魔」と認定し、今後一切の接触を避けるよう通達しました。物理的に距離を置くことが、現在の湖底トレンドにおける「スマートな回避術」の筆頭とされています。
世間からは、「絡まれたおかげで髪型がパンク風になった」「もう二度とあの茂みには近づかない」といった悲鳴が飛び交っています。一部の冒険家からは「あえて絡まることで遠隔地まで運んでもらうタクシー代わりにする」という奇抜なアイデアも出ていますが、連盟は「それは移動ではなく誘拐」と強く否定。次回の定例会では、この問題を解決するための『強力・反発コーティング剤』の無償配布が決定しており、湖底の静かな旅を守るための戦いは、まだしばらく続きそうです。
癒着か侵略か?『深層緑化・排斥連盟』が警告する「緑の絡まり魔」の猛威
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昨日も観光中に急にまとわりつかれて全身毛羽立ちが剥げた