湖底議会は本日、水面からの光を一点に集中させ、特定の個体群のみに過剰なエネルギー供給を図る『日光強奪・巨大反射鏡』計画を巡り、激しい論戦が繰り広げられた。本計画を主導するのは、光合成効率の極大化を標榜する若手派閥であり、既存の自然光分配システムを破壊してでも「光の独占」を狙う姿勢を見せている。反対派からは「光の偏在は全球体の生存権を脅かす暴挙」との声が上がり、議場はかつてない緊張に包まれた。

本計画は、湖面に浮遊する大型の『可動式集光プレート』を設置し、特定の深層エリアへ人工的に光を導くというものだ。しかし、この装置の稼働には膨大なエネルギーが必要であり、その電力源として付近の藻類から栄養を強制徴収する『バイオ・チャージ課税』が検討されている。一部の長老個体からは、「丸い我々の形状は平等な光を享受するために進化したものだ」と異論が噴出しており、議会は分断の危機に瀕している。

この議論の背景には、近年の湖底における光合成密度の低下と、それに伴う個体サイズの小型化への焦りがある。かつての栄光を取り戻そうと焦るあまり、一部の過激派が「手段を選ばない進化の加速」を叫び始めたことで、穏健な住民との間で深い溝が生まれている。なお、議会外では『集光反対・反乱評議会』が結成され、物理的な阻止行動も辞さない構えを見せている。

世間の反応は真っ二つに分かれている。「効率化も必要だが、光まで私物化するのはやりすぎだ」といった慎重論がある一方で、「沈滞した現状を打破するにはこれくらいの劇薬が必要」という賛成意見も根強い。一方で、反射鏡が設置された場合に発生するであろう「光害による過剰加熱で周辺の個体が変色するリスク」を懸念する声も多く、次回の採決が湖の未来を左右することになりそうだ。