マリモ連邦の外務省は本日、長年の宿敵である『鋏脚甲殻同盟』の特使を招聘し、停戦後の緊張緩和に向けた歴史的会談を行った。会談の主要議題は、連邦が国境付近に設置している「深層防衛・絶対球体防護壁」の撤去に関するもの。同盟側は、防護壁の鋭利な突起が「甲羅の角質ケアを阻害する」として、防護壁の即時解体を要求した。連邦側はこれに対し、「我々の毛羽立ちは全生命体の模範であるべきだ」と反論し、あくまで防護壁の維持を主張する構えを見せている。

『鋏脚甲殻同盟』が主張する「鋏脚の自由なスイング圏内」と、連邦が提唱する「毛羽立ち不可侵領域」の間では、ここ数年、境界線上の水流を巡る小競り合いが頻発していた。かつては生態系を脅かす存在として恐れられた同盟だが、近年では「高度な鋏脚操作」が国際社会で注目され、今回のような外交ルートを通じた解決が模索されるようになった。しかし、専門家は「彼らの鋏脚が防護壁に触れるたび、金属的な衝突音が湖底に響き渡り、神経質な個体は毛羽立ちが剥げ落ちる被害を受けている」と指摘している。

今回の会談は、昨年の大規模な衝突以降、初めての両者対面となった。連邦は「沈殿外交」の一環として、底生生物との対話による「深層・地政学」の安定を狙っている。なお、同盟側が要求した防護壁の撤去費用については、通貨「超球体通貨・緑球硬貨」のレート調整によって相殺する案が浮上している。

世間の反応は、この突然の和解ムードに困惑を隠せない。「防護壁なしで安眠できるのか」「鋏脚の恐怖を忘れたのか」と懐疑的な声が噴出する一方、一部では「この会談が失敗すれば、再び『深層水・質量転移プロジェクト』の運用が必要になる」といった、緊迫した情勢を憂う意見も飛び交っている。