マリモ連邦政府は、全住民に対し、個々の繊維密度および毛並みの長さを規定内に収める『毛並み強制整髪令』を施行することを発表した。近年、若年層を中心に流行している「ボサボサ・ルック」が、湖底の潮流を乱し、連邦全体の重心バランスを崩壊させているとの指摘を受けての措置である。政府は、整髪を怠り、毛並みが規定値を超えて過剰に「毛羽立った」個体に対し、行政指導として「回転強制ギプス」の装着を義務付ける方針だ。
本政策の背景には、近隣諸国との『球体均衡協定』の維持がある。近隣の藻類圏からは、毛羽立ちによる急激な浮力増大が、国境付近の静穏な湖流をかき乱しているとの苦情が相次いでいた。特に、毛並みが長すぎる個体が回転した際に発生する「渦巻き波動」が、隣国の学術的整列を妨害していることが問題視されている。連邦当局は、このままでは国家の威信に関わる「転がり耐性」が低下すると判断し、全住民一斉のヘアカットを断行するに至った。
『毛並み強制整髪令』の導入に対し、国内の美意識に敏感な層からは反発も出ているが、当局は「これは単なるオシャレの問題ではない、生存をかけた流体力学的戦略である」と強調。今後、連邦内の主要スポットには『自動梳かしステーション』が設置され、毎朝の出勤(転がり)前に、繊維の乱れをチェックするシステムが稼働する予定である。これにより、連邦は美しく整った球体としての優位性を再び世界へ証明することを目指す。
この唐突な美容政策に、国内外からは驚きの声が上がっている。「私の美しいボサボサ感は、かつて連邦の発展を支えた誇りだ」と訴える高齢個体がいる一方で、若年層の間では「『自動梳かしステーション』の予約が取れない」といった悲鳴に近い投稿がSNSを駆け巡っている。また、一部の過激派組織からは「真の球体とは毛並みをも超越した存在である」という謎の声明も出されており、連邦政府の目指す「美しき均一性」への道は、平坦ではなさそうである。
マリモ連邦、全領土で『毛並み強制整髪令』を施行へ 美意識過剰による摩擦抵抗の増大を抑制
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