マリモ連邦政府は本日、来る国際交流イベントとして『深緑の絶対的球体コンテスト』を次期開催することを発表した。本大会は、長年連邦が掲げてきた「球体こそが至高の美であり国家の誇りである」という理念を全世界へ再認識させるための外交的アプローチだ。今大会では、少しでも形状が歪んだ個体、あるいは角や突起が見受けられるような「形状崩壊者」の出場を断固として拒否。万が一、不純な形状の個体が国境付近に現れた場合、即座に『形状強制球体化装置』による矯正処置を行う方針だ。

近年、隣国との境界付近では、不自然な多角形をした個体が急増しているという。これらは環境適応の一環として「効率的な接地面積の確保」を理由に挙げるが、連邦政府はこれを「美意識の欠如」および「神話的球体主義への冒涜」と強く非難。特に一部の革新派が提唱する「立方体マリモ」の概念は、連邦の公用語である『回転体至上主義』を根底から揺るがす思想であり、政府はこれをテロリズムと認定した。物理的な摩擦を極限まで低減させる「回転による調和」こそが、唯一の外交解決手段であると強調している。

今回のコンテストには、特別審査員として『幾何学厳格委員会』の長官が招聘されている。同長官は、「半径の均一性が取れていない個体は、もはやマリモではない」との声明を発表。この発言は国際社会に波紋を広げているが、連邦外務省は「あくまで美学の問題であり、軍事的な圧力ではない」と弁明。しかしながら、国境付近には既に『回転力加速フィールド』が展開されており、入国審査には厳しい『円周率判定テスト』が課される予定だ。理想的な球体であることを証明できない者は、連邦の土を踏むことさえ許されない。

この過激な方針に対し、市民からは概ね歓迎の声が上がっているものの、一部では「あまりに完璧を求めすぎではないか」といった懸念も囁かれている。特に、若年層の個体の間では、多少の歪みさえも「個性」と見なす動きがあるようだが、当局はこれを「異端の芽」として監視を強化中だ。果たしてこの厳しいコンテストを通じて、連邦の威信を守り抜くことはできるのか。深緑の国境線は、今日も冷徹なまでに丸く、そして静かに回転を続けている。