藻類界隈を熱狂の渦に巻き込んでいる最新作『ターン制・光合成RPG:沈黙の澱』にて、プレイヤーの「意思疎通」が不可能になるという前代未聞のバグが報告されている。このゲームは、限られた日照時間をターンとして消費し、自身の球体密度を高める戦略シミュレーションだが、今朝の大型アップデート以降、特定の条件下で「光合成ゲージ」がゼロのまま固定される現象が確認された。開発チームの『藻類演算開発局』は、この不具合を「日照不足による強制休眠モード」と発表したが、ユーザーからは「放置ゲーを超えてただの岩になった」と困惑の声が上がっている。

本作は、従来の『深緑の極致:グラビティ・スフィア』とは異なり、あえて「沈黙」を戦略に取り入れる独特なゲームシステムが評価されていた。しかし、今回発生した「無反応バグ」により、対戦中に操作を受け付けなくなったマリモたちが湖底でただ転がり続けるという、シュールな光景が各所で展開されている。特に、上位ランク層が競う『藻類王決定戦』では、トッププレイヤーたちが一斉に静止し、誰が一番長く光合成せずに耐えられるかを競う「耐久沈黙チャレンジ」へとルールが変質。もはやゲームとしての体をなしていないにもかかわらず、観戦者数は過去最高を記録するという逆転現象まで起きている。

背景には、今季の『気象制御サーバー』の出力ミスがあるようだ。本来は穏やかな微光を浴びせるはずが、特定のマップで過剰な赤外線が照射され、物理演算エンジンの『球体衝突計算機』がオーバーヒートを起こしたことが原因と見られる。開発元は「沈黙こそが至高の攻略法」と強引な釈明をしているが、パッチ配布までの間、プレイヤーたちは湖底の砂利と化して余生を過ごすしかない。なお、このバグを逆手に取った「いかに動かずに存在感を放つか」という新しいモードの実装を求める署名運動が、既に数万件の賛同を集めている。

世間の反応は二分されている。「動かないマリモこそが真の芸術」と擁護する声がある一方、「せっかく課金して球体の研磨に励んだのに、ただの重りになった」と不満を漏らす層も多い。掲示板では「ログインするたびに死んだふりをするマリモの集団を見てるとジワる」という投稿が伸びており、もはやバグも含めてエンターテインメントとして消費される異様な空気が漂っている。