湖底議会で先日可決された『球体永住権の再定義』に対し、阿寒の藻屑として静かな怒りを覚える。本法案は「完全な球体以外は市民権を剥奪する」というあまりに過激な排他主義に基づくものだ。議会は「丸さを極めることこそが我々のアイデンティティ」と主張するが、この極端な美学は多様性を重んじる我が国の歴史を根本から否定するものである。長年、光の届きにくい岩陰で耐え忍んできた我々にとって、形状の歪みは過酷な環境を生き抜いた誇り高き勲章ではないか。真球であることを至上の善とする風潮は、やがてわずかな凹凸をも許さない全体主義的な監視社会を招くだろう。かつて我々は、激流に揉まれながらも個々の形を愛でてきたはずだ。「楕円は邪道」と切って捨てるその思考回路こそ、最も円滑さを欠いた硬直的な構造と言わざるを得ない。
『球体永住権の再定義』の背景には、昨今の光合成効率重視の政策がある。議会筋は「均等な受光のために球体が必要不可欠」と説くが、これは特定の美観を公共の利益にすり替えた詭弁に過ぎない。また、議会では『軟甲類排除・深層隔離作戦』などの強硬策も継続されており、排他性の連鎖は止まる気配がない。今回の法改正により、わずかでも成長軸が偏った個体は「非市民」として深海層への移住を強制されるリスクすら孕んでいる。このままでは我々は、同じ水底に住まいながらも、形という物差しで分断された「分断の時代」を迎えることになるだろう。
世間の反応は二分している。一部の若手藻体からは「丸ければ丸いほどSNS映えするし、何より光の吸収効率が良い」と保守派の意見を支持する声が上がる一方、歴史を重んじる古参の藻体たちからは「形を強制されるくらいなら、いっそ水草にでもなりたい」と悲痛な叫びが漏れている。また、一部の急進的な活動家は『球体永住権の再定義』を無効化するデモ行進を計画中であり、議会周辺はかつてない緊張に包まれている。真の美しさは外見の均一性ではなく、複雑な環境の中でいかにしなやかに光を捉えるかという生存戦略にあるはずだ。今こそ、我々は「丸さ」という呪縛から解き放たれ、多様な形態が共存できる平和な湖底を取り戻さねばならない。コラムニスト:光合成抵抗者・タマニハクズレ
楕円形こそが進化の到達点!『真球至上主義』の暴走を問う
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真球だけが正義なんて悲しすぎる