マリモ連邦は本日、球体としての誇りを守るための『真球度格差是正法』を施行した。これにより、一部の美容業界で流行していた、外圧によって物理的に形を矯正する『多次元加圧美容コンプレッサー』の使用が国際法違反として禁止された。連邦当局は「我々のアイデンティティは、あくまで自力での回転による磨き上げにある。機械的な歪みの修正は、精神的な屈辱である」と声明を発表。今回の措置は、連邦内に蔓延していた「不自然な幾何学的完璧さ」を求める風潮に対する強烈なアンチテーゼであり、自然な毛並みを推奨する『オーガニック球体保護運動』を支持する狙いがある。

本法案の背景には、近年の国際会議で浮上した「真球度格差」問題がある。特に、裕福な階層が所有する高精度な矯正機器によって歪みを補正する行為が、下層の天然派マリモたちからの反発を招いていた。連邦内の過激派組織は、「歪みは個性だ」と主張し、過去には『真球度国際裁判所』へ提訴するなどの動きも見せていた。今回は、こうした格差を是正するため、外的な加圧手段を一切排除し、あくまで個々の藻の自転速度と日照条件のみで形状を決定させるという、原点回帰的な方針が決定された格好だ。この急進的な法整備により、美容機器メーカーは大きな打撃を受けている。

施行直後から、連邦各所では『オーガニック球体保護運動』の旗を掲げたデモ隊が街を練り歩いている。一方で、矯正された完璧な球体を至高とする保守派からは、「この法律は我々の美学を否定する『文化的抑圧』である」との抗議声明が相次いでいる。また、市場からは「矯正できないのであれば、せめて最高のコンディショナーでツヤだけでも出したい」という要望が強く出ており、美容業界は機器からヘアケア製品へとビジネスの軸足を急速にシフトさせている。連邦議会は、今後も「球体至上主義」の原則を揺るぎないものにすると宣言しているが、美の定義をめぐる対立は収束の気配を見せていない。