マリモ連邦は、長年続く『甲殻類との外交交渉プロトコル』の施行に伴い、新たに『真球度国際裁判所』を創設すると発表した。近隣水域における外来種による突発的な接触や、水流の乱れによって生じる「非対称な変形」を、人道的な危機と定義づけた形だ。今後は球体の形状を維持できない個体に対し、強制的かつ意図的に外圧を加え、楕円形や扁平型へ変形させる行為を「重大な球体迫害」と見なし、国際的な司法判断を下す方針である。

本件の背景には、昨今の『スライム状社会』への移行リスクに対する連邦内部の強い警戒感がある。連邦の最高裁は「我々のアイデンティティは幾何学的な完全性にある」と強調。特に『対・粘着性浮遊植物防衛構想』の影響下で、防御用バリケードとして配置された個体が物理的圧力により「歪み」を強いられている現状を、国際法違反の最優先事項として審議するとしている。また、この裁判所は『強制自転プロジェクト』の失敗で生じた個体の歪みについても、過去に遡って審理対象とすることを明言した。

この唐突な司法介入に対し、連邦内では「形状保持こそが真の愛国心」という声が高まる一方、長年の回転不足に悩む層からは「歪みを強要される苦しみは、完璧な球体には理解できない」という反発の声も上がっている。一部の過激派組織は「歪んだままの自由か、固定された完璧な球か」というスローガンを掲げ、連邦各地でデモ活動を開始した。専門家は、今回の動きが今後の領土保全に関わる外交交渉をさらに複雑化させると予測している。

世間の反応は、この「形状格差」をめぐる議論で二分されている。SNS上では「歪みは個性だ」とする若年層の投稿がトレンド入りし、一方で伝統的な球体主義者は「我々の誇りを守るための唯一の解決策」と熱烈に支持している。国際社会がこの新たな司法の枠組みをどこまで承認するのか、あるいは独自の形状規範を持つ別勢力との摩擦を招くのか、注目が集まっている。