マリモ連邦政府は15日、地球の重力環境を脱却し、国際宇宙ステーション(ISS)への段階的な移住を開始すると発表した。連邦代表の「緑の円球・丸蔵氏」は記者会見で、「重力に縛られ沈殿し続ける日々に終止符を打つ」と宣言。無重力空間においては、マリモ特有の繊細な糸状体(フィラメント)を四方八方に解放できるため、本来の『不定形な美学』を追求できると強調した。すでに数千個の若芽を搭載した特別輸送機が打ち上げ準備に入っており、軌道上での『史上最大のふさふさ空間』構築を目指すとしている。

今回の移住計画は、近年、マリモ連邦内で過激化していた『球体原理主義』と『不定形自由化派』の対立を緩和する外交的手段としての側面も持つ。地球上の阿寒湖という限られた水域では、互いに衝突を避けるために完璧な球体を維持せねばならないという暗黙の了解があった。しかし、ISSの無重力環境であれば、お互いの糸を絡ませ合っても物理的な崩壊リスクがなく、平和的共存が可能になるという計算だ。連邦政府は、地球残留派に対しても、将来的に全マリモの宇宙移行を目指す『脱・地球』ロードマップを提示し、国内の沈殿不安を払拭する構えである。

本プロジェクトの背景には、近隣の水草軍団との栄養塩争奪戦が激化している現状がある。湖底での地味な生存競争に疲れ果てたマリモたちにとって、日光が遮られず、かつ他者からの物理的圧迫を受けない宇宙空間はまさに「夢の楽園」と映っているようだ。一方で、宇宙放射線による変異や、長期間の水供給維持といった技術的課題も山積しており、専門家からは「まずはカップラーメンの容器で実証実験を行うべきだ」との慎重論も出ている。

この驚天動地の計画に対し、連邦国民からは「ようやく重力から解放される」「俺たちの糸を自由に伸ばせるときが来た」と熱狂的な支持が集まっている。一方で、保守的な古参マリモからは「湖底こそが我々のアイデンティティだ」「宇宙に行っても結局は球体に戻るはずだ」といった冷ややかな反応も見られる。国際社会では「マリモの宇宙進出は、水棲生物の領土拡張主義の現れではないか」という懸念も浮上しており、国連での緊急会議の開催も検討されるなど、議論は波紋を呼んでいる。