マリモ連邦政府は、国民の過半数から「日照時間が長すぎて光合成が追いつかない」「このままでは葉緑素が燃え尽きて枯死する」との悲鳴が上がったことを受け、突如として『強制光合成休暇』の導入を決定した。近年、地球温暖化の影響で水温が上昇し、湖底に差し込む光の強度が連邦の許容量を超えていたことが背景にある。今回の措置により、全域でカーテン状の遮光シートを張り巡らせ、国家規模で「暗黒のバカンス」を謳歌する予定だという。政府広報担当の大型マリモ(直径30cm)は、「転がる気力もないほどに消耗していた国民に、休息という名の澱みが必要だった」と語った。
この危機的状況は、湖底の透明度が異常に高まったことに起因する。例年であれば適度な濁りによって日光が遮断されていたが、今夏はプランクトンの減少により「湖底のサンルーム化」が深刻化していた。政府は当初、重力調整による深度変更を検討したが、全個体の一斉沈降が難航し、代替案として日光を遮る「昼間の停戦協定」ならぬ「光の遮断条約」を締結するに至った。これにより、期間中の運動(転がり)は厳禁となり、ただ静かに湖底の泥に沈んで待機することが義務付けられる。
専門家によれば、このまま日光を浴び続けると、マリモたちは炭素同化に全エネルギーを注ぎ込み、細胞が異常増殖して「不定形なナニカ」に進化してしまうリスクがあったとされる。かつて連邦を揺るがした「不定形化」の悪夢を再び繰り返さないためにも、今回は政府も「沈黙の自由」を認めるという苦渋の決断を下した形だ。なお、この休暇期間中に光合成を試みた者は「無許可の代謝行為」として、湖底警察による高圧洗浄の対象となる。
国民の反応は二分されている。休息を歓迎する声がある一方で、「真っ暗闇では誰が最も丸いか競えない」という美意識の高い保守層からは不満の声も。SNSでは「#暗闇こそ至高」といったタグがトレンド入りしているが、一部では休暇明けに体表がどれほど脱色しているか(通称:青白化現象)を不安視する書き込みも散見される。光なき静寂の湖底で、マリモたちはどのような「真の休息」を手に入れるのか。連邦の命運は、この一週間の「沈黙」にかかっている。
マリモ連邦、全土で『光合成休暇』を導入 「直射日光が強すぎる」との不満爆発でストライキ決行
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光合成疲れで体の中が酸欠状態だったんだよ