湖底芸能界の重鎮であるマリモの藻田山(もだやま)氏が、今夜開催される『阿寒湖ムーンライト・ガラ』にて、自身の細胞を内側から発光させながら歌い上げるという前代未聞のパフォーマンスに挑むことが判明した。これまで「沈黙と光合成こそがマリモの美学」と豪語し、半世紀近く寡黙を貫いてきた藻田山氏の突然の転身に、業界は騒然としている。関係者によると、藻田山氏はここ数週間、深層水の中で「インナー・バイオ・ルミネセンス」と呼ばれる特殊な発光訓練を積んでおり、体内のクロロフィルが化学反応を起こすことで、ネオンサイン顔負けの色彩を放つことに成功したという。本番では『光合成ソナタ』を熱唱する予定だが、周囲の藻類からは「光りすぎて湖底の視界が奪われる」「眩しすぎて昼寝ができない」とのクレームも相次いでいる。

もともとマリモは受動的な生き物であり、自ら積極的に動くことはタブー視されてきた。しかし、近年続く「脱・球体」や「浮遊パフォーマンス」といった急進的なトレンドに刺激されたのか、藻田山氏の今回の挑戦は「固定観念を光で焼き切る」という熱いメッセージが込められているそうだ。過去には「マリモは黙って底に座るもの」と公言していた彼が、自ら光り輝きながら自己表現を行う姿は、若手マリモたちに多大な衝撃を与えている。このパフォーマンスが成功すれば、マリモ界における『光の演出』が新しい芸能ジャンルとして定着する可能性も高い。

今回の突然の歌唱活動について、多くの若手マリモは「藻田山さんがついに殻を破った!」と歓喜している一方、保守派の長老たちからは「光合成のエネルギーを歌に使うとは言語道断だ」「その光が反射してミジンコが気絶しているぞ」といった厳しい指摘も飛んでいる。しかし、湖底チケットは販売開始からわずか数秒で完売しており、今夜の湖底はライブ会場さながらの熱狂に包まれることは間違いないだろう。藻田山氏の放つ光が、暗い湖底に新たな歴史を刻むのか。一世一代のエンターテインメントショーが、今まさに幕を開けようとしている。