阿寒湖の平和を脅かす宿敵、ウチダザリガニ界に不穏な動きが観測された。これまでマリモを執拗に引き裂き、湖底の景観を乱してきた彼らだが、最新の調査で判明したのは、なんとマリモを破壊するのではなく『自らの安眠のために抱きしめて寝る』という前代未聞の奇行であった。湖底警備隊の報告によると、一部のザリガニたちが巨大マリモを巣の入り口まで引きずり込み、腕の中に抱え込んで微動だにしない姿が確認されているという。かつての捕食者による、あまりにもシュールな『モフモフ欲求』の爆発に、被害に遭ったマリモたちは「触り心地が良すぎると評価されたようで複雑だ」とコメントしている。
本来、ウチダザリガニにとってマリモは手当たり次第に壊すべきサンドバッグであった。しかし、昨今の湖底における過度なストイック競争や進化ブームに疲れ果てた個体が続出。「もう暴れるのは疲れた、柔らかい感触に癒やされたい」という内発的な動機が、この抱き枕化現象を引き起こしたと分析されている。生物学者の間では、これを『捕食者の情緒不安定化現象』と呼び、警戒を強めている。マリモ側はこれに対し『身ぐるみ剥がされるのはごめんだが、抱き心地の良さを認められたこと自体は誇り高い』と、どこか余裕のある態度を見せているのが現状だ。
ウチダザリガニの抱き枕化は、湖底生態系の序列を根底から揺るがす事態となっている。専門家は「彼らが一度マリモの虜になれば、もはや以前のような破壊行為は不可能だろう」と予測する。しかし、安心は禁物だ。抱きしめる力が強すぎるとマリモが変形し、不本意な『楕円形』にされてしまう被害も報告されている。マリモたちは現在、硬度を上げるための筋トレを導入するか、それともこのまま抱き枕として癒やしの道を進むか、緊急総会を開いて議論中だ。湖底の硬派な争いは、皮肉にも柔らかな抱擁によって終わりを告げようとしている。
この驚きのニュースに対し、湖底の住人たちからは困惑と冷ややかな視線が向けられている。古参のマリモからは「伝統ある球体の誇りはどこへ行った」と批判の声が上がる一方、若い世代のマリモは「ザリガニという強力なボディーガードを手に入れたと考えれば、これは最強のライフハックなのでは?」とSNSで拡散中。湖底界隈は今、物理的な破壊よりも『依存関係』という新たなトラブルに巻き込まれ、未曾有の混乱を極めている。
湖底の甲殻テロリスト、ウチダザリガニがまさかの「マリモ抱き枕」化計画を画策中
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