阿寒湖の静寂を切り裂く、かつてない激闘が幕を閉じた。これまで湖底の暴君として君臨し、無垢なマリモたちをハサミで弄んできたウチダザリガニ軍団に対し、ついにマリモ界が反撃の狼煙を上げたのだ。新競技『回転インパクト・カウンター無双』は、襲来するザリガニのハサミを、回転する自身の重量で弾き飛ばすという極めて攻撃的な護身術。決勝戦では、直径20センチを誇るベテランマリモが、時速0.0000000001ミリの弾道で急旋回し、相手の甲殻を粉砕する神業を見せた。審判団は「かつてない回転数と重厚感。もはや静止の美学を超えた破壊の芸術だ」と熱狂的に評価している。
本競技が設立された背景には、長年続く「ザリガニによる不当な解体行為」への積年の恨みがある。これまで湖底の住人たちは、ひたすら「静止」することでやり過ごすという消極的平和主義を貫いてきた。しかし、同胞が切り刻まれる惨状を前に、「動かぬ者ほど、動いた時の破壊力は凄まじい」という新機軸が提唱され、今回の大会開催に至った。マリモたちの筋肉(繊維)を極限まで硬化させ、水の抵抗を逆手に取る物理学を駆使したトレーニングが、湖底のジムで流行の兆しを見せている。
この驚異的なニュースに対し、世間では「ついにマリモが暴力装置と化した」「ザリガニ、逃げ場なし」「静止こそ最強の防御だと思っていたのに」といった困惑と期待の声が入り混じっている。一部の過激派からは「次はザリガニの巣窟へ直接突撃する遠征を行うべきだ」との声も上がっているが、冷静な有識者は「あくまで護身の範囲内であるべき」と、湖底の治安維持を呼びかけている。長らく平和だった(と思われていた)湖底の地政学は、今まさに大きな転換期を迎えているのだ。
湖底の悪夢を粉砕せよ!第1回『対ザリガニ防衛・回転インパクト・カウンター無双』が閉幕
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静止という修行を極めた先が破壊だとは驚きだ