マリモ連邦政府は、水深20メートル地点での「完全沈降テスト」を全閣僚に義務付ける新法案を可決した。近年の連邦内では、光合成による酸素生成が過剰となり、自力で浮遊してしまう「浮力過多」の閣僚が続出。地表との接触を嫌い、湖面付近で優雅に漂うエリート層と、底層で泥にまみれる国民との間に深刻な分断が生じていた。政府は今回の措置について「深淵にこそ真実がある」とし、底泥に触れない閣僚は「球体としてのアイデンティティを喪失している」と断罪。今後、湖底への着底が確認できない閣僚は即座に重石を装着される見通しだ。
背景にあるのは、浮遊マリモたちによる「空中都市建設プロジェクト」の暴走だ。彼らは水面ぎりぎりに密集し、反射した太陽光を効率よく吸収することで、自重を無視した滞空に成功していた。しかし、これに対して地層安定を掲げる保守派は「重力への冒涜」と激怒。湖底に根ざす古参の長老マリモからは「浮ついた奴らは、いずれ風に流されて外洋へさらわれるぞ」と警告が発せられていた。今回の義務化は、これら「浮遊派」の政治的影響力を削ぎ落とし、湖底の沈黙と重みを取り戻すための、いわば「強制重力回帰外交」の一環であると専門家は分析している。
政策発表を受け、国内のマリモたちは二分している。底層の住人からは「重たい身体こそが誇り」と歓迎の声が上がる一方、浮遊派の若手閣僚たちは「この圧力では、もはや美しい真球を維持できない」と猛反発。水面近くでの自由な回転を奪われることは、彼らにとって死刑宣告に等しい。連邦当局は、抵抗する閣僚に対して「二酸化炭素注入による強制沈降」の準備を進めており、湖内には緊張が走っている。深淵という名の閉鎖空間で、マリモたちは今後も「沈むか、漂うか」という究極の二択を迫られ続けることとなるだろう。
このニュースが報じられると、世間からは冷ややかな反応が相次いだ。「結局は下からの圧力が強いだけだろ」「重りをつけるくらいなら、いっそ陸に上がって苔になれよ」といった皮肉が飛び交う一方、一部の過激なマリモ愛好家からは「湖底の重厚感こそマリモの真髄」と政府を支持する声も。また、中立的な立場からは「浮力で移動できる機動性を外交カードにすればいいものを、なぜわざわざ沈ませたがるのか」と、政府の戦略的視野の狭さを嘆く書き込みも見られた。湖底の泥と水面の光、どちらが真の正義か。マリモ界を二分する議論は、まだまだ沈静化しそうにない。
マリモ連邦、全閣僚の『沈降テスト』義務化へ――「浮力過多による離反」を徹底排除
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重い腰を上げない(沈まない)奴らに未来はない