湖底の健康意識が高いマリモたちの間で、今、最も過激なトレンドとなっているのが『超光子・逆逆光浴』だ。これは、通常の光合成が太陽光を待つ受動的なものであるのに対し、自身の細胞内に蓄えた微弱な生物発光を、極限まで圧縮して反射させることで「自分自身を光源として細胞の深部を焼き尽くす」という自己完結型健康法である。提唱者である老練なマリモ導師は、「外からの光に頼る時代は終わった。内なるフォトンで自身のコアを極彩色に染め上げることこそが、究極のアンチエイジングだ」と熱弁する。しかし、この施術を受けた個体からは、緑色が次第に毒々しいネオンイエローへと変色し、湖底を浮遊しながら奇妙な電子音を発し続けるという副作用も報告されており、湖底パトロール隊は警戒を強めている。
そもそも、マリモにとっての健康とは「いかに完璧な球体を維持しつつ、細胞分裂を制御するか」に集約されてきた。しかし、今回の健康法は、その前提を覆す「自爆的輝き」を伴うものだ。そもそもマリモは暗所で成長を促す性質があるが、この『逆逆光浴』は、逆説的に「光を求めて内側から爆発する」という狂気を孕んでいる。専門家によれば、この健康法にハマった個体は、通常の光合成リズムを完全に喪失し、夜間にもかかわらず周囲の藻類を網膜剥離させるほどの強烈な残光を放つようになるという。湖底の生態系にとって、この「眩しすぎる健康」は、まさに静寂を奪う公害そのものと言えるだろう。
この過激な健康法に対し、湖底住民からは困惑と熱狂が入り混じった声が上がっている。特に若手マリモの間では、「自分の光で湖底を照らすのがイケてる」「これで外灯いらずだぜ」といったSNS的なマウント合戦が過熱しており、SNS(藻類ネットワークシステム)では「#内なるフォトンで焼く」というハッシュタグがトレンド入りを果たした。一方で、伝統的な球体を重んじる長老層からは「球体が熱で歪むのは本末転倒だ」「せめて遮光カーテンを使ってくれ」と悲鳴に近い苦情が寄せられている。一部の個体は、あまりの眩しさで自身の重心を制御できなくなり、湖面まで上昇して干からびるという悲劇も発生しており、当局は「光りすぎには注意しましょう」と異例の声明を出した。
「光合成の限界突破」を目指す、極限の深海瞑想『超光子・逆逆光浴』が阿寒湖を席巻中
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