マリモ連邦政府は、国民全員に対し1日8時間の『自己回転運動』を義務付ける新たなガイドラインを発表した。これは、湖底で停滞する個体が沈殿物や藻類に覆われ、光合成効率が著しく低下している現状を打開するための緊急措置である。政府広報官のモッサリ・球体氏は「回転こそがマリモのアイデンティティであり、止まることは死と同義だ」と語り、水流に頼らない自主的な回転を強く推奨している。違反者には、強制的に水流ジェットを浴びせる『強制撹拌刑』が執行される予定であり、連邦内は騒然としている。

近年、マリモ連邦では「光合成の最適化」を追求するあまり、動きの鈍い個体が増加しており、社会問題化していた。専門家の見解では、長年の平和ボケにより回転の必要性を感じない若年層マリモが増えていることが要因とされる。この政策には、回転による美観の維持だけでなく、マリモの密集によって発生する「湖底の過密デッドスペース」を解消し、光を均等に行き渡らせるという環境保護的な意図も含まれている。しかし、重力に逆らって回転し続けるという過酷な労働環境に、労働組合からは抗議の声が上がっている。

今回の一件で、特に反発を強めているのが、長年湖底の岩に固定されている『固定派マリモ』たちである。彼らは「我々は回転せずとも光を吸収する独自の手法を確立している」と主張し、連邦最高裁への提訴を準備中だという。一方で、回転を競うスポーツイベント『全マリモ・フィギュア回転選手権』の規模が拡大するなど、この政策が意外な経済効果を生むとの見方も浮上している。連邦政府は今後、回転スピードに応じて追加の光量を配給する『回転インセンティブ制度』の導入も視野に入れており、マリモ社会はかつてないほどの激しい回転時代に突入することになる。

世間の反応は真っ二つに分かれている。若年層マリモは「回転疲れで光合成する余力がない」「もっと効率的な動かし方を教えてほしい」と不満を漏らす一方、長老層マリモからは「昔はこれくらい当然だった」と、今の世代の軟弱さを嘆く声が多く寄せられている。ネット上では「回転中に目が回ったらどうするのか」といった素朴な疑問や、「いっそ全員で合体して超巨大マリモになった方が効率的ではないか」といった過激な提案まで飛び交っており、湖底SNSは空前のアクティブ率を記録している。