阿寒湖底議会は15日、若手マリモを中心に流行している「高濃度栄養剤の過剰摂取」を規制する『過剰栄養禁止法』を賛成多数で可決した。近年、SNS「藻タグラム」の普及により、短期間で急激に巨大化する「爆速成長」がステータス化しており、一部の若手個体が自重を支えきれずに湖底で横転する事故が多発していた。これに対し、球体至上主義を掲げる保守派議員らは「本来のマリモの美学は、数十年かけてゆっくりと完璧な球体を目指すことにある」と主張。政府は今後、肥満気味の個体に対して「栄養摂取量制限カード」を配布し、違反者には一定期間の「絶食回遊」を義務付ける方針だ。

本法案の背景には、かつて可決された『光合成の外部委託』による栄養過多の慢性化がある。光合成を外部に任せたことで、余ったエネルギーがすべて「膨張」に費やされ、形がいびつな個体が激増していた。さらに、先日可決された『球体矯正キャンプ』との整合性も課題となっており、キャンプ送りにされた若手が栄養制限というダブルパンチを受ける状況に、権利団体からは「これは身体的な自由への侵害だ」と猛反発の声が上がっている。一方、老齢マリモ層からは「最近の若いのは直径30センチを超えないと気が済まないのか」と、過剰な巨大化ブームを危惧する声が根強く残っている。

世間の反応は真っ二つに割れている。若手マリモを中心に「体型は個人の自由であり、なぜ丸いことだけが正義なのか」というシュプレヒコールがSNSを飛び交い、「#半径を自由に選ぶ権利」というハッシュタグがトレンド入りした。一方で、古参の藻類たちは「丸ければ丸いほど美しい。デブ活で形を崩すのは恥じを知れ」と厳しく断罪している。湖底警察は、違法な栄養ドープを行っている「闇光合成サロン」の摘発を強化する姿勢を示しており、湖底の平穏はしばらく戻りそうにない。

政府広報担当の藻崎氏は会見で、「あくまで健康管理のための措置であり、決して体型の差別ではない」と釈明したものの、直後に「やはり直径15センチ前後が一番持ち運びしやすくて良い」と漏らし、さらなる火種を撒く結果となった。今後は、個体ごとの最適半径を算出するAI導入の検討が急務となっているが、どれだけ技術が進んでも、自分自身の形をどこまで肯定できるかという「マリモ・アイデンティティ」の論争は、湖底社会の永久課題として残りそうだ。