社会・11月17日
国連教育科学文化機関(ユネスコ)総会で「世界遺産条約」が採択された日
11月17日は、1972年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第17回総会で「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約(世界遺産条約)」が採択された日です。この条約は、人類全体にとって普遍的な価値を持つ文化遺産や自然遺産を、国際的な協力と援助のもとで保護・保存していくことを目的としています。世界遺産リストの作成や、保全のための基金設立などが定められ、現在の国際的な文化財・自然保護体制の基礎となりました。
世界遺産条約採択の背景と目的
20世紀に入り、近代化や開発、紛争などによって世界各地の重要な文化財や自然環境が破壊される危機が高まりました。特に1960年代にエジプトのアブ・シンベル神殿がアスワン・ハイ・ダムの建設によって水没の危機に瀕した際、ユネスコが国際的な救済キャンペーンを展開し、多くの国々が協力して移築・保存に成功したことが大きな契機となりました。この経験から、人類共通の遺産は一国のみの責任ではなく国際社会全体で守るべきだという認識が広がり、世界遺産条約の採択へとつながりました。
条約がもたらした影響と世界遺産の仕組み
世界遺産条約に基づき設立された「世界遺産リスト」には、文化遺産、自然遺産、そして両方の要素を兼ね備えた複合遺産が登録されます。登録された物件には、国際的な保護の枠組みが適用されるとともに、世界遺産基金を通じた財政的・技術的支援を受けることが可能になります。また、観光地としてのブランド化や、現地における保存意識の向上にも寄与する一方で、観光客の急増(オーバーツーリズム)による環境負荷や開発との調和など、新たな課題も生まれています。
ポイント
- 1972年11月17日にユネスコ総会で世界遺産条約が採択された。
- 文化遺産、自然遺産、複合遺産の3種類が保護の対象となっている。
- アブ・シンベル神殿の救済闘争が条約成立の大きなきっかけとなった。