試合が動いたのは三回裏でした。お菓子山陽高校は、二死二塁から一番打者の鮮やかなセンター前タイムリーで先制。持ち前の粘り強さを発揮し、序盤から強豪相手に互角の戦いを見せました。球場には多くの在校生や地域住民が駆けつけ、快進撃を見守りました。

中盤の五回には、春鎌東高校の猛攻を受け3点を失い逆転を許す苦しい展開となりました。しかし、お菓子山陽の選手たちは動じることなく、ベンチからは絶えず前向きな声が飛び交っていました。監督も「彼らはピンチの時ほど笑顔が出るチームです」と試合後に振り返っています。

反撃は七回裏に訪れました。連続安打でチャンスを作ると、代打選手の適時打で同点に追いつき、続く八回には相手のミスに乗じて勝ち越しの1点を奪いました。攻守の切り替えの速さが、試合終盤の勝負強さにつながったと言えます。

守備においても、無死一塁の場面で堅実な併殺打を完成させるなど、守りからリズムを作る理想的な展開を見せました。創部して間もないチームとは思えない落ち着いたプレーに、対戦相手からも感嘆の声が上がっていました。

最後のバッターを打ち取った瞬間、マウンド上の投手は両手を突き上げて歓喜しました。創部半年での県大会勝利は、同校野球部にとって新たな歴史の第一歩となります。選手たちは試合後、応援席に向かって深々と一礼し、感謝の意を伝えました。

試合を終えた主将は「まずは一勝することだけを目標にやってきました。全員で掴んだ勝利です」と、興奮冷めやらぬ様子で語りました。この結果により、お菓子山陽高校は次戦、ベスト8をかけて強豪との対戦に臨みます。