会社員の羽田野健一さん(42)は、小学校3年生の時にふと抱いた「消しゴムのカスって、もったいないな」という素朴な疑問を、なんと20年以上もかけて検証し続けてきた。毎日の事務作業で出るカスを丁寧に回収し、接着剤を使わず、ひたすら圧力をかけるという原始的な手法で巨大な球体に仕上げたのだ。
完成した塊は直径約85センチ、重量は実に32キロに及ぶ。まるで巨大な隕石のような風貌を持つその物体は、羽田野さんの書斎の床をじわじわと沈没させており、すでに部屋の床には「芸術的なクレーター」が形成されつつあるという。
羽田野さんは完成を記念して、自らその巨大消しゴムを実際に使用するイベントを開催。しかし、いざ机の上に乗せて紙をこすろうとした瞬間、信じられない事態が発生した。32キロの質量が机の脚を粉砕し、床を突き破って階下まで直通する「消しゴムのトンネル」が空いてしまったのだ。
さらに、かろうじて残った破片で紙をこすってみたところ、紙の文字を消すどころか、消しゴムのカスが紙に強烈に付着し、むしろ紙が「消しゴムの欠片でモコモコした質感の立体物」へと変貌してしまった。羽田野さんは「消す」という本来の目的が、「消す対象を完全に埋め尽くす」という異次元の物理現象に置き換わったことに愕然とした。
現在、羽田野さんはこの巨大消しゴムを「何をしても消えない最強のオブジェ」として活用しようと画策しているが、隣人からは「天井に消しゴムの粉が降ってくる」と猛抗議を受けており、近々『日本消しゴムカス協会』なる謎の団体を設立して、さらなる巨大化を目指す予定だという。
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