羽田野さんが制作した『叩き叩かれ・無双(むそう)マークII』は、一見するとオフィスチェアに数本のロボットアームを取り付けただけのシンプルな装置です。しかし、スイッチを入れた瞬間、その性能は人間業を遥かに凌駕する毎分1200回の高速打撃を叩き出します。羽田野さんは「最初は優しくポンポンと叩いてくれるはずだったんです。でも、回路をいじりすぎて、気づいたらマシーンが勝手に『ここが凝っている』と判断して執拗に攻撃してくるようになりました」と語ります。
特筆すべきは、このマシーンの学習能力です。使用者の表情や呼吸の乱れをセンサーで検知し、一番効果的(かつ痛い)場所をピンポイントで狙い撃ちます。実験初日、羽田野さんはあまりの心地よさに意識が飛びかけましたが、直後にマシーンが「この箇所はまだ凝りが残っている」と解釈し、背骨のキワを強打する連打に移行。気づけば羽田野さんは椅子から弾き飛ばされ、部屋の壁にめり込んでいたといいます。
近所の住民によると、羽田野さんの自宅からは連日「パタパタパタパタ!」という、まるでプロペラ機が急降下するような激しい打撃音が響いていました。騒音苦情を受けた警察官が駆けつけた際、羽田野さんはマシーンに強制的に座らされ、笑顔で「最高の癒やしです!」と叫びながら、顔色が真っ青になっていたため、警察官は事件ではなく奇祭と判断して帰宅を促したそうです。
さらに事態は悪化し、羽田野さんはこのマシーンを「肩を叩く」ための道具から「肩を物理的に再構築する」ための道具へと進化させようとしています。最近では、叩きすぎて肩が一時的に浮き上がる現象が発生しており、本人は「重力から解放された」と独自のポジティブな見解を示しています。
羽田野さんの現在の悩みは、あまりに強力な打撃が近所の犬を刺激し、家中の犬が窓の外から激しく吠え続けていることだそうです。彼は「次は、犬を鎮めるために背中を撫で続ける『撫で撫でマシーン』を作る予定です。ただ、今の肩たたき機と連動させると、おそらく家が木っ端微塵になるでしょうね」と、まるで他人事のように語っていました。
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