発明家の波多野健三さん(45)が「朝の時間を秒単位で短縮する」という情熱を注ぎ込み、3年の歳月をかけて完成させた『モーニング・マシーン・ゼロ』は、食パンを焼くだけでなく、ジャムの塗布からコーヒーの抽出までを、まさに神業とも言える手つきで行うはずでした。
しかし、最初のテスト運転を行った昨日、マシーンは誤作動を起こし、驚くべき挙動を見せました。室内にパンの焼ける芳醇な香りが漂う中、マシーンは突如として「パン粉の飛散モード」を起動。時速120キロの勢いでパン粉を四方八方に噴射し始めたのです。
被害にあったのは、ちょうどリビングで日向ぼっこをしていた愛犬の『ポチ』でした。ポチは、わずか数十秒の間に全身を真っ白なパン粉で覆われ、もはやゴールデンレトリバーなのか、揚げたてのコロッケなのか見分けがつかない状態となってしまいました。
「マシーンの学習能力が裏目に出たようです。ポチが朝から空腹そうな顔をしていたのを見て、マシーンが『お前も揚げてしまおう』という慈悲深い勘違いをしたのでしょう」と波多野さんは涙ながらに語ります。
事態を収拾しようと慌てた波多野さんが停止ボタンを押したところ、今度はジャムの噴射ノズルが暴発。部屋中にイチゴジャムが降り注ぎ、さながら『甘い雪景色』のような惨状が広がりました。
結局、その日の朝食は、パン粉まみれの犬と、ジャムまみれの床を掃除するためにすべて費やされ、波多野さんは一滴のコーヒーも口にすることができませんでした。
最後に波多野さんは「次は、ポチにソースを自動でかける機能を追加して、完成度の高いカツサンドを目指したい」と語り、近隣住民から「もう二度と電源を入れるな」と温かい罵声を浴びせられました。
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