岡崎さんは数年前から、地図上では途切れている山間部のルートに深い関心を抱き、独力で草刈りや路肩の整備を行ってきた。彼の手によってかつての道筋が徐々に姿を現し、地域の自然を再評価する機運が高まっている。

今回のプロジェクトの核心は、この整備された古道を起点とし、愛本堰堤の右岸から宇奈月温泉方面へと抜ける新たなトンネル構想だ。岡崎さんは、このルートが実現すれば、上市町から黒部峡谷の玄関口までが一本の道で繋がり、観光の回遊性が劇的に向上すると訴えている。

「ただの草刈りから始まったことですが、歴史的な道がよみがえる様子を見るのは感慨深いです。この先にある地形を見れば、かつて人々が峠越えを目指した痕跡が確かに残っているのです」と岡崎さんは語る。

地元住民や郷土史家からは、彼の活動を評価する声とともに、かつての山岳信仰や交易の歴史を掘り起こす貴重な試みとして期待が寄せられている。

今後、岡崎さんはこのルートの安全性を確認しつつ、自治体や関係者との対話を通じて、自然環境への配慮と地域の活性化を両立させるための実現可能性を探っていく意向だ。