都内在住の大山健三郎氏(48)は、過去6ヶ月間、毎日欠かさず納豆を混ぜ続けていた。当初は「1000回混ぜると角が取れてまろやかになる」という噂を検証するだけの穏やかな研究活動だったが、大山氏の探究心はブレーキが効かないことで知られている。
開始3週間で、大山氏の右腕はプロボクサー並みの筋肉量に成長した。さらに、3万回という驚異の数字を突破した昨日、納豆の容器から「プウーン」という独特の音とともに、微小な重力異常が発生したという。
近所の住民によると、大山氏のキッチンからは突如として光の柱が立ち上り、冷蔵庫が重力に逆らって天井へと浮き上がったそうだ。その際、納豆の粘り気である「糸」が空間を切り裂くような挙動を見せ、周囲の空気が急速に醤油の香りに包まれるという現象が確認されている。
現場に駆けつけた物理学の専門家は、「納豆菌と大山氏の執念が奇跡的な分子結合を起こし、亜空間への扉を開いてしまったようだ。まさに『納豆ポータル』だ」と困惑気味にコメントした。この影響で、半径10メートル以内の物質はすべて糸を引きやすい状態になったという。
大山氏は事態を冷静に受け止めており、「3万1回目で気づいたんです。混ぜるべきは納豆ではなく、宇宙そのものだったんだと」と、どこか達観した様子で語った。
現在は、時空の裂け目から異世界の納豆が無限に供給されるという事態に陥っており、大山氏は「おかげでタレが足りない」という新たな悩みを抱えている。なお、この納豆は驚くほどふわふわで、食べた瞬間に宇宙の真理が少しだけ理解できるという噂だ。
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