自称・納豆錬金術師の羽鳥健二郎さん(48)は、かつてない美味しさを求めて毎晩、納豆をかき混ぜる研究を続けていました。通常の食卓レベルでは飽き足らなくなった彼は、次第に回転数と遠心力の関係に没頭。より深く、より速く、分子レベルで豆を絡ませることを夢見て、手首に高出力の工業用モーターを装着する暴挙に出ました。
実験当日、羽鳥さんは最高品質の小粒納豆を一気に50パック投入。「納豆は宇宙の縮図であり、かき混ぜることは銀河を回すことと同義だ」と語り、モーターを最大出力のレベル10に設定しました。その瞬間、リビングに設置されたボウルからは、納豆が放つネバネバの糸が光り輝く螺旋を描き、目に見えないほどの高速回転を始めました。
目撃者の近隣住民によると、「最初は美味しそうな香りが漂っていたが、次第にゴーッという轟音とともに、家全体が納豆の糸で編み上げられた繭のように包まれていった」とのこと。羽鳥さんが極限まで混ぜ続けた結果、納豆の糸は重力場を歪めるほどの粘度を帯び、室内に局地的な気圧変化をもたらす『納豆竜巻』が発生したのです。
竜巻はリビングの家具を吸い込み、すべてを納豆まみれにして粉砕しました。羽鳥さんは、宙に浮きながらも「見えたぞ!納豆の向こう側が!」と叫んでいましたが、駆けつけた消防隊が救助した際には、全身を納豆の糸で完璧にミイラのように固められており、あまりの粘着力に救出用はしご車も身動きが取れなくなる大惨事となりました。
奇跡的に軽傷で済んだ羽鳥さんは、現在、納豆禁止令が出された病院で静養中ですが、反省の色はありません。「あと数分あれば、大豆をダイヤモンドに変えられたはずだった」と力説し、早くも次回作に向けて、指先にスプリングを仕込む改造を検討していると噂されています。
コメント
まだコメントはありません。