羽田野氏は長年、飲み会における乾杯の音の「安っぽさ」に強い危機感を抱いてきました。彼は「乾杯とは本来、魂を共鳴させる儀式であるべきなのに、現状のグラスの音は蚊の鳴くような虚しさしかない」と独自の乾杯論を語ります。

今回の実験で彼が目をつけたのは、液体窒素で極限まで冷却し、分子構造を硬化させた特製のクリスタルグラスです。彼いわく、グラスを絶対零度近くまで冷やすことで、衝突時の反響係数が理論上の限界値に達し、黄金の鐘のような音色を響かせることができるといいます。

実験会場となった自宅キッチンには、防音壁を張り巡らせた特設スタジオが用意されました。羽田野氏は「いざ、歴史的な共鳴を」と高らかに宣言し、凍りついたカクテルグラスを振りかざしました。

しかし、激しい衝撃と共に響き渡ったのは、鐘の音ではなく「ドカン!」という小規模な爆発音でした。液体窒素の急速な気化とグラスの脆化が重なり、乾杯の瞬間にグラスが粉々に砕け散り、周囲の野菜スティックと彼自身のスーツがカクテルまみれになったのです。

現場に駆けつけた近隣住民は「凄まじい音と共に、真っ青な液体が窓から飛び出してきたので、どこかの魔法使いが召喚に失敗したのかと思った」と語ります。羽田野氏は顔面をブルーキュラソーに染めながらも、満足げに微笑んでいました。

羽田野氏は翌日の取材に対し、「音は確かに記録的な衝撃波でした。物理的には乾杯というより破砕実験でしたが、私の魂は共鳴しました」とコメント。現在は、爆発しても怪我をしないよう、砂糖菓子でできたグラスでの再挑戦を計画中とのことです。