羽田野さんが開発した『ロケット・ソックス・ランチャー』は、圧縮空気を動力源とする家庭用装置です。使い方は単純で、まず装置の筒に靴下をセットし、足先を装置の出口に向けて正座して待機するだけ。準備が整うと、装置が『発射します』と電子音声でアナウンスし、高圧空気とともに靴下が猛スピードで足に向けて射出されます。
開発のきっかけは、羽田野さんが毎朝靴下を履く際に『かかとが引っかかって、いつも3秒くらいロスしている』ことに気づいたことでした。彼は『人生の残り時間を計算したところ、この3秒を毎日積み重ねれば、生涯で約3時間の損失になる。これを取り戻すために全力を注ぐべきだ』と、人生の優先順位を極端に履き違えた結論に達しました。
実際にデモンストレーションを行うと、装置から発射された靴下は、時速80キロの速度で羽田野さんの足に直撃しました。あまりの衝撃に羽田野さんは一瞬体が後方に吹き飛びましたが、見事に靴下は足にフィットし、装着に成功。本人は『少し骨に響くが、靴下は完璧だ』と、鼻血を拭いながら満足げに語りました。
しかし、この装置には一つだけ致命的な欠陥がありました。靴下の生地がマッハの速度に耐えられず、発射の瞬間に高確率で靴下が摩擦熱により発火してしまうのです。実験では、朝から足元が炎上する羽田野さんの姿が度々目撃されており、近所からは『通勤前に何かの儀式をしているのか』と心配されています。
羽田野さんは現在、難燃性素材を用いた最強の靴下を独自に縫製しながら、発射角度の微調整を行っています。『次はかかとの位置までミリ単位で正確に装着できるようにする。これが完了すれば、俺は朝の支度で世界最速の男になる』と彼は息巻いています。
なお、完成したマシーンのおかげで、羽田野さんは『靴下を履く時間は0.5秒になったが、その後の足の火傷を冷やすために15分かかるようになった』と告白しました。トータルではマイナスですが、彼は『達成感があるので問題ない』と、今日も火の出るような朝を迎えています。
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