古賀氏が発表したのは、ジェットエンジンの原理を応用したという特注の家庭用フライヤーである。この機械は、投入口に放り込まれたパンの耳を瞬時に油の中へ射出し、0.03秒で黄金色に焼き上げる。古賀氏いわく、あまりの速さにパンが「自分が揚げられていることに気づかない」のが最大のこだわりだという。

実験会場となった古賀氏の自宅ガレージには、朝から数キログラムのパンの耳が山積みになっていた。古賀氏はプロテクターとゴーグルを完璧に装着し、準備運動としてスクワットを3回繰り返した後、迷いのない手つきでパンの耳を機械に装填した。

轟音と共に機械が作動すると、キッチンはたちまち芳醇な揚げパンの香りに包まれた。しかし、あまりの過激な揚力により、揚げ上がったパンの耳が弾丸のように室内の壁へ突き刺さるという事態が発生。壁一面が香ばしい凶器で埋め尽くされる光景に、居合わせた近隣住民もただただ唖然とするしかなかった。

古賀氏は「揚げる速度が早ければ早いほど、衣の水分が蒸発する隙を与えず、外はカリカリ、中は宇宙規模のジューシーさを保てる」と力説する。実際、試食したボランティアによれば、その食感は「食べた瞬間に脳内でオーケストラが鳴り響くような衝撃」だったとのことだ。

この挑戦の背景には、子供の頃に食べた給食の揚げパンへの異常な愛着があるという。古賀氏は今後、この技術を応用して「冷凍のまま揚げるポテト」や「焼く前に食べ終わるトースト」の開発も視野に入れていると語り、揚げることへの飽くなき情熱を燃やしている。

現在、古賀氏のガレージの壁には約400本のパンの耳が深々と突き刺さっており、撤去作業にはさらに数日を要する見込みである。古賀氏は「美味しいから、おやつに食べていいよ」と笑顔で語っているが、誰も壁から抜こうとはしなかった。