バ借山氏は「ただひたすらに混ぜることで、クリーム内の脂質が時空を歪めることに気づいた」と、自信満々に語る。彼によれば、深夜3時から休みなく電動ホイッパーで攪拌を続けた結果、ボウルを中心に周囲の空気が重く沈み込み、計測器の数値が異常な挙動を示したという。
現場に居合わせた関係者によると、スタジオ内の温度は急激に低下し、ボウルから半径1メートル以内の物体がゆっくりと中心に向かって引き寄せられるような、不可解な映像が確認された。バ借山氏は「これこそが求めていた究極のホイップクリームだ」と、質量が増大したクリームをスプーンですくい上げ、悦に浸っている様子だった。
専門家はこの現象について「単なる遠心力と心理的疲労による錯覚、あるいは設備の不具合である可能性が極めて高い」と即座に否定している。しかし、バ借山氏は聞く耳を持たず、「次はバターになるまで練り続け、ブラックホールを生成する」という次なる野望を語り、周囲のスタッフを困惑の渦に巻き込んでいる。
近隣住民からは「夜中にキッチンのほうから『重力が、重力が重くなる!』という叫び声が聞こえてくる」との苦情が寄せられており、管理組合はバ借山氏に対して「実験はほどほどに」と警告を発した。それでも同氏は「宇宙の真理はクリームの中にこそある」と主張し、今日も新たなボウルに向き合っている。
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