イベントの中盤、フロアとの質疑応答が行われていた際、ルッキズム賛成派を自称する男性参加者がマイクを手に取り、「ルッキズムを完全に排除した社会では、誰もがアイドルやスターになれるという平等が実現するのか」と問いかけた。

この質問に対し、ルッキズム反対派の代表として登壇していたパネリストは、「外見だけで評価されない社会を目指すべきだ」と即座に応じた。しかし、質問者はさらに踏み込み、「努力や才能だけでなく、特定のアイコンとしての魅力が求められる職業において、その平等はどう担保されるのか。人は全員アイドルになれるのか」と鋭く追及した。

会場には静寂が流れ、登壇者は一瞬言葉に詰まった。聴衆の視線が集まる中、彼は「それは……議論の論点がずれている」と小さく答えるにとどまり、明確な反論を提示することができなかった。

討論会の司会を務めた大学教授は、この膠着状態に対し、「外見の評価という極めて主観的な要素を、社会制度としてどう扱うかは人類永遠の課題だ。本日の議論はその難しさを改めて浮き彫りにした」と総括した。

イベント終了後も、ロビーでは参加者同士が今回のやり取りについて熱心に議論を交わす姿が見られた。「誰もが主役になれるわけではないという現実と、誰もが尊重されるべきという理想の狭間で、我々は言葉を探し続けている」と、来場者の一人は語った。

主催者は今回の討論について、「特定の結論を出すことではなく、異なる価値観を持つ人々が向き合う場を作ることが目的だった」とコメント。今後もルッキズムというテーマについて、継続的な対話を続けていく意向を示している。