試合は春似山大付の先攻で幕を開けた。初回、先頭打者が四球で出塁すると、続く2番打者の送りバントでチャンスを広げた。しかし、神田工の先発投手の立ち上がりの鋭い変化球に阻まれ、あと一本が出ない苦しい展開が続いた。
守備では、今大会の躍進を支えた春似山大付のエース投手が、序盤から落ち着いたピッチングを披露。3回までは両者無得点の投手戦となり、アルプススタンドを埋め尽くした応援団からは、固唾を飲んで試合を見守る静寂と、守備の好プレーが出るたびに大きな拍手が送られた。
試合が動いたのは4回裏だった。神田工に連打を浴び、中盤で3点のリードを許す苦しい状況となった。それでも春似山大付の選手たちは意気消沈することなく、ベンチからは「まだ終わっていないぞ」という声が響き渡った。
反撃は7回表に訪れた。先頭打者が二塁打で出塁し、その後、内野ゴロの間に1点を返す。続く打者がセンター前へ弾き返し、さらに1点差まで詰め寄る猛追を見せた。球場全体が春似山大付の逆転を予感し、ボルテージは最高潮に達した。
しかし、8回裏に神田工が貴重な追加点を挙げ、再び突き放される形となった。最終回の攻撃でも最後まで諦めずにバットを振り続けたが、あと一歩及ばず試合終了のサイレンが鳴り響いた。
試合後、春似山大付の主将は涙を浮かべながらも、「仲間と共にここまで戦えたことは一生の誇りです。負けてしまいましたが、自分たちの野球を貫けたことに悔いはありません」と語った。監督も「彼らは期待以上に成長し、素晴らしい景色を見せてくれた」と選手たちをねぎらった。
今大会、ノーシードから勝ち上がり、強豪校を次々と破ってきた春似山大付の姿は、多くの野球ファンの胸に刻まれた。敗れはしたものの、彼らが残した全力疾走の姿勢と爽やかな戦いぶりは、夏の甲子園の歴史に新たな1ページを書き加えたと言えるだろう。
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