羽田野さんが開発したこの装置は、焼き上がった食パンを自動で機体へ装填し、高圧空気によって射出、利用者の口元へ正確に届けるという画期的なシステムです。忙しい現代人にとって、咀嚼の時間を短縮することこそが真の時短であるという哲学のもと、3年の歳月をかけて設計されました。

実演会では、羽田野さんが椅子に座って口を開けた瞬間、見えないほどの速さで焼きたてのパンが飛来しました。しかし、あまりの衝撃と熱さに、そのパンは羽田野さんの顔面を直撃し、そのまま後方の壁に激突して粉砕するという、スリリングな結末を迎えました。

「速度調整が少しシビアなんです」と語る羽田野さんですが、本人は至って満足気です。現在は、パンが途中でジャムを塗られる『空中塗布システム』の改良に取り組んでおり、来月には『焼き加減が選べるレーザー射出式』へとアップデートする予定だと意気込んでいます。

近所からは「朝から空を飛ぶ食パンを見るのは非常にシュールだ」「あれは食パンというよりは弾丸に近い」といった困惑の声が上がっていますが、羽田野さんは「次はクロワッサンで挑戦する」と、さらなる高みを目指しているようです。

しかし、最大の懸念は、その装置の爆音と威力により、毎朝の目覚まし時計が完全に不要になったことかもしれません。羽田野さんは現在、装置の起動音を「上品な小鳥のさえずり」に変えるべく、音響エンジニアとの調整を急いでいるとのことです。