試合が動いたのは初回だった。春似山大付は先頭打者が四球で出塁すると、続く2番打者の鮮やかな送りバントでチャンスを拡大。その後、主軸の集中打でいきなり2点を先制し、球場を大きく沸かせた。

対する霧川高校も、昨年の王者らしく3回表には長打を絡めて同点に追いつくなど、一時は試合の流れを掌握するかに見えた。しかし、この日の春似山大付は、ここから粘り強さを見せた。

5回裏、春似山大付は二死から連打を重ね、一挙4得点という猛攻を見せる。特にクリーンアップの一角が放ったライトスタンドへの本塁打は、球場の空気を一変させ、完全に主導権を握る一打となった。

その後、霧川高校も反撃を試みたが、春似山大付の継投策が冴え渡った。中盤以降にマウンドに上がった投手陣は、持ち前の制球力を武器に相手打線を翻弄。要所を締めるピッチングで、強打の霧川打線を沈黙させた。

最終回、守備の乱れから1点を失ったものの、最後の打者を外野フライに打ち取ると、春似山大付のベンチからは歓喜の輪が広がった。敗れた霧川高校のエースも、試合後には春似山大付の打撃力の高さを素直に認めるコメントを残している。

春似山大付の監督は試合後、「選手たちが冬場の厳しい練習で培った成果が、今日という大舞台で形になった。相手が王者であることは意識せず、自分たちの野球に集中できたのが勝因だ」と語り、チームの成長に目を細めた。

この勝利により、春似山大付はベスト16進出が決定。次戦は中2日で迎える強豪校との対戦が予定されており、勢いに乗る彼らがどのような戦いぶりを見せるのか、地元ファンの期待は高まるばかりだ。