発明家の羽田野健二さん(44)が3年の歳月をかけて開発した『ブレッド・スプレッダーZ』は、パンに均一にバターを塗るための最新鋭マシンである。しかし、テスト運転中に制御プログラムが暴走。キッチンを飛び出し、開いていた窓から外へと噴射を開始した。
目撃者によると、マシンは猛烈な回転数でバターを射出し続け、隣家の外壁を瞬く間に濃厚な塩分でコーティングしたという。近所の住民は「突然、空から巨大な黄色い霧が降ってきて、何事かと思った」と当時の恐怖を振り返る。
羽田野さんは慌てて非常停止ボタンを押そうとしたが、マシン本体もバターでヌルヌルに滑っており、指が全く引っかからなかった。結局、コンセントを抜くよりも先に、マシン自体が高速回転で庭の池へとダイブし、壮絶なバター池を作り上げたことで停止した。
現場検証に駆けつけた警察官は、外壁に付着したバターを指で少しすくい上げ、「……有塩だな」と呟きながら深くため息をついた。この事態に対し、近隣住民からは『次はジャムを塗るのか』『トースターも用意して壁を焼く気か』といった皮肉が相次いでいる。
羽田野さんは現在、外壁のバターを回収し、巨大なホットケーキを焼くことで近所へのお詫びとしようと計画しているが、すでに近隣の町内会からは『二度とバターに触れるな』と厳重注意を受けている。
結局、羽田野さんは今回の教訓を活かし、次は『全自動・壁面トースト・ヒーティングシステム』の構想を練っているといい、周辺住民の戦慄は当分収まりそうにない。
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