都内在住の会社員、羽鳥健介さん(34)は、幼少期からの「もっと空気を含んだ納豆を食べたい」という切実な願いを叶えるため、自宅のキッチンを改造。直径1メートルの巨大撹拌機を特注し、炊きたてのご飯の上に投入した納豆へ、毎分2000回転の衝撃を加え続けていました。

羽鳥さんによれば、従来の箸による撹拌では「空気が足りず、粘りの層が単調である」とのこと。彼は流体力学を独学で学び、納豆のタンパク質が持つ気泡保持能力を最大限に引き出すために、送風機と超高速回転ミキサーを組み合わせた「納豆エアレーション・システム」を構築しました。

実験開始から3時間、納豆ごはんは茶碗の中でみるみる膨張し、まるで巨大な雲のような見た目へと変貌しました。羽鳥さんは「これこそが求めていた黄金比の密度だ」と確信し、満面の笑みでスプーンを突き立てましたが、その瞬間、さらなる異常事態が発生しました。

膨張した納豆から放出された膨大な空気と粘りの成分が室内に充満。密閉されていたキッチンは、納豆由来の微細なタンパク質粒子で満たされ、室内の気圧が急上昇しました。近隣住民からは「急に耳が詰まった」「部屋のドアが開かなくなった」といった困惑の報告が相次ぐ事態となりました。

駆けつけた専門業者によると、羽鳥さんの部屋はまるで「巨大な納豆の缶詰」のような状態になっており、気圧差で換気扇が逆回転を始めていたとのことです。羽鳥さん自身も、全身が納豆の粘膜に覆われながらも、スプーンを口に運び「これは……食感というより、概念に近いですね」と満足げにコメントしました。

現在、羽鳥さんは部屋の除湿と換気を徹底しており、当面の間は「納豆は普通に食べるのが一番」という、至極全うな結論に至ったと語っています。ただし、彼は懲りることなく「次は味噌汁をエスプーマにする研究に着手する」と宣言しており、周囲はさらなる警戒を強めています。