これまで野球部が存在しなかった神田商高校において、今年4月に同好会からスタートした野球部は、異例のスピードで部員を確保し、今月正式な運動部として認可されたばかりだ。新設校ならではの活力と、野球が大好きな生徒たちの熱意が学校運営側を動かし、公式戦へのエントリーがギリギリのタイミングで間に合った。

練習環境は決して恵まれているとは言えない。校庭の片隅を借りて行われるノック練習や、近隣の公営グラウンドへの遠征など、限られた時間と場所を工夫して活用してきた。しかし、その短い期間においても、選手たちは一つひとつのプレーに集中し、チームとしての一体感を急速に高めてきたという。

監督を務める佐藤教諭は、「準備期間が短いことは事実ですが、選手たちの瞳には勝敗を超えたひたむきな輝きがあります。まずは大会の雰囲気を肌で感じ、一球に全力を尽くすことを目標に掲げています」と、謙虚ながらも熱のこもったコメントを寄せた。

今夏の大会初戦に向け、対戦相手も決まり、部員たちは日々、筋力トレーニングと基礎技術の向上に励んでいる。地元の商店街からも応援の横断幕が贈られるなど、地域全体がこの「挑戦する野球部」を温かく見守るムードに包まれている。

もちろん、甲子園という高い目標への道のりは険しい。しかし、創部一ヶ月という異例の早さで公式戦のグラウンドに立つ彼らの挑戦は、勝敗の結果以上に、高校野球の新たな物語として多くの人々の胸を打つことになるだろう。彼らの初陣は、今週末、県内のメインスタジアムで予定されている。