都内在住の会社員、羽田野健一さん(34)は、幼少期から納豆を異常な回数かき混ぜることに執念を燃やしてきました。通常の朝食において、彼が納豆を混ぜる回数は平均して2000回を超え、その手つきはもはやアスリートの域に達しています。しかし、今朝の挑戦は彼のこれまでのキャリアの中で最も壮大なものとなりました。
羽田野さんは、より強靭な粘りを求めて、業務用の高出力ハンドミキサーを納豆のパックに挿入。最大出力で30分間混ぜ続けるという暴挙に出ました。キッチンには大豆の香ばしい匂いと共に、ゴーゴーという低重音が響き渡り、やがて納豆はパックの中で回転を始め、小型の台風のような渦を巻き起こしたのです。
「最初はただの糸が絡まる程度だったのですが、急に空気が巻き込まれ始め、納豆そのものが宙に浮き上がりました」と羽田野さんは興奮気味に語ります。キッチン内に発生した「納豆竜巻」は、半径1メートル以内の空気を納豆の粘り気で満たし、窓を閉め切っていたにも関わらず、外にいた近隣住民の服にまで微細な納豆の繊維が飛散する事態となりました。
近隣住民の証言によると、「朝から何かの音がすると思ったら、窓を開けた瞬間に粘着質な空気が入り込んできて、洗濯物が納豆の香りに包まれた」とのこと。警察が出動する騒ぎとなりましたが、駆けつけた警官が目にしたのは、部屋の中で浮遊する納豆の塊と、それを見つめて陶酔する羽田野さんの姿でした。
羽田野さん本人は、「あの瞬間の納豆は、もはや食べ物というよりは、大豆の魂が具現化した高次元の生命体でした」と語っています。なお、この「納豆竜巻」は、彼がハンドミキサーの電源を切った瞬間に崩壊し、部屋中が納豆まみれになるという大惨事を引き起こしました。
現在、羽田野さんは部屋の清掃に追われていますが、懲りる様子はなく「次はミキサーを二台にして、より複雑な気流を生み出したい」と早くも次回作戦の構想を練っているようです。近所からは「とりあえず納豆は普通に食べてくれ」という切実な署名運動が始まったと噂されています。
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