今年も確定申告の時期がやってきました。事業を営んでいる方は、去年に財産がどのように動いたのかを明らかにする(決算を行う)と思います。
この時に作る書類は財務諸表と言い、決算の時期に作られるため俗に決算書とも呼ばれます。仕訳帳などを作成する簿記の技術は、この決算書を作ることを目的としています。
以下では、決算書の種類とそれらの役割についてまとめています。
決算書の種類
決算書は貸借対照表と損益計算書の2つのことを指します。それぞれの役割について紹介します。
貸借対照表(B/S)
貸借対照表は、事業主(会社)の財産を明らかにする表です。バランスシートとも呼ばれます。以下がその具体例です。
青色申告を行う方は、申告書に含まれているこの貸借対照表に記載する必要があります。
貸借対照表は「資産」「負債」「純資産(資本)」の情報(勘定科目)から成り立っています。純資産は資産から負債を差し引いた実質的な財産を指します。
表の左側(資産の部)には資産、表の右側(負債・資本の部)には負債と純資産の情報を書き込みます。青色申告の際に書く貸借対照表(上表)では、どちらも年始と年末の情報が必要です。
左右の合計額は一致しなければなりません。
資産の合計 = 負債の合計 + 純資産の合計
この貸借対照表によって、会社など事業体が申告年度末時点で保有する財産がわかります。
後述する損益計算書との違いは、その年だけではなく、経済活動を始めた時点(会社であれば起業時)から現在まで蓄積された財務状態が反映されている点です。
損益計算書(P/L)
損益計算書(Profit and Loss statement)は、事業主(会社)の儲けを明らかにする表です。これは、一年間の財産の出入りに着目した決算書です。
青色申告においては提出の必要はありませんが、財務状態を説明できるように控えておくと良いとされます。

損益計算書は「費用」「収益」の2つの情報(勘定科目)から成り立っています。
表の左側(借方)に費用と当期純利益、右側(貸方)に収益を記述します。
当期純利益は収益から費用を引いた値です。言い換えれば、費用と当期純利益の合計が収益と等しくなります。
費用 + 当期純利益 = 収益
損益計算書には資産の情報(預金や不動産、債権)はなく、その年の金銭(とそれに類するもの)のやり取りが中心に記述されます。その期間にどれだけ儲けと支払いがあったかを表し、それまでの蓄えや借金などは考慮しません。
損益計算書によって、その年の純利益がひと目でわかります。
決算書を作るために必要な書類
簿記の全体の流れは以下のようになります。
- 伝票を集めた仕訳帳を作る
- 仕訳帳から総勘定元帳に転記
- 総勘定元帳から試算表を作成
- 損益計算書と貸借対照表を作成
実際にこれらを記述する方法については別の記事で紹介したいと思います。
1 件のトラックバック